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平成28年の年頭にあたって

平成28年の年頭にあたって

組合員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。
2016(平成28)年の新たな年を迎え、組合員の皆さまに一言ご挨拶を申し上げます。
昨年(平成27年)は、自然災害が多発した年でもありました。

 

5月の口永部島(くちのえらぶしま)の噴火から浅間山、箱根山、桜島とこの1年で次々と火山が噴火しています。9月には、関東・東北地方は台風18号の影響による記録的豪雨に襲われ、川の氾濫や土砂崩れが発生、またもや人々の営みをのみ込んだ。自然災害の恐ろしさを見せつけられた1年でもありました。

 

私たちニット製造業にとりましては、衣料品をはじめとして天候に左右されやすい業界であり、この予想を超えた気候変動に振り回されて、ニット製品の需要にも大きな影響を及ぼした1年でもあったと思います。
また、昨年はこうした自然災害だけではなく、人口減少に伴う国内消費市場の縮小、円安による輸入原材料・部品の価格の上昇等により、生産コスト増大やコスト上昇分を価格への転嫁が進まず収益状況は改善されず、経営の足かせとなっています。

 

そして、10月、第三次安倍改造内閣が発足し、安倍さんは、アベノミックスは第2ステージに移り、「希望を生み出す強い経済」「夢をつむぐ子育て支援」「安心につながる社会保障」という新たな3本の矢を打ち出し、経済最優先で取り組みます。」と述べています。
私たちは今後、安倍政権の日本経済の再生や社会保障等の充実への取り組みに大いに期待したいところであります。

 

さて私たちの組合に話題を戻しますと、昨年は、当組合の各種委員会等の役割、必要性等を見直し、機能的・機動的な組織にするため各種委員会等の統合・再編成をおこないました。また、これからニット業界を担う若い方々を支援するための組織として、新たに、「次世代戦略検討プロジエクト(委員会)」を立ち上げました。
このプロジュクトは、厳しい環境変化に応じて個々の企業がどう生き残っていくのか、組合は何ができるのか等を検討するものです。外部の専門家を招聘し、組合員と一緒に他産地成功例等のケースタディを行います。その中でニット業界を担う若い次世代の方々が、夢や希望を持てるような新たな戦略やあるべき方向性等を探求していきたいと思っております。

 

昨年8月には、「2015夏 上野の森で名刺交換会」を前年に引き続き開催し、組合員の方々から、「大変有意義だった。」と喜んでいただいたところです。
今年も、さらに組合員の方々の連携を強化するため、実施していきたいと思っております。また、組合のホームページをリニューアルし、メリヤスレンジャーを編成し、「服ができるまで」を5話にわたって、モノづくりの様子を動画でアップしております。TKF青年部の知恵と発想力をフル動員して創り上げてくれましたことに心から感謝申し上げます。ぜひ皆様にもご覧いただき、ご活用いただきたいと思っております。

 

昨今、中国に生産拠点を移した日本企業「国内回帰」の動きが広がっており、円安の加速や人件費、電気代等の高騰で、「世界の工場」と呼ばれてきた中国での生産メリットが低下していことが背景にあると思います。
今こそ、日本人の緻密さ、継続性を生かして、世界に日本ブランドを売っていくべきと思っております。また、地方創成を目指す政府にとっても企業の国内回帰は大きな援軍となりそうです。

 

私たちの、国内ニット産業におかれましても、メードイン・ジャパンの機運、国内回帰の流れは着実に進んでおり、逆に限られた「国内の縫製キャパシティーは満杯」といった声も聞かれる中で、その需要にどこまで対応できるかが課題となってきています。
いずれにしても、東京のモノづくりをしている中小企業にとりましても、またとない好機ではないでしょうか。
私たちの組合は、このビジネスチャンスを逃すことなく、全組合が一丸となって打って出るときでもあると考えます。

 

年頭にあたりまして、今年も昨年に引き続き組合員交流を活発に行って、組合員の方々の役に立つ組合を目指していきたいと思っておりますので、ぜひ皆様のご理解・ご協力とご参加をお待ち申し上げております。

 

平成28年元旦 東京ニットファツション工業組合 理事長 大石 恭寿