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平成29年の年頭にあたって

組合員の皆さま、新年明けましておめでとうございます。

2017(平成29)年の新たな年を迎え、組合員の皆さまに一言ご挨拶を申し上げます。

昨年(平成28年)は、自然災害が多発した年でもありました。

4月の熊本地震では、熊本県を中心に多数の家屋の倒壊、土砂災害等や、甚大な被害を受けました。また、8月には台風10号をはじめ記録的豪雨が相次いでしまい、北海道、東北地方を中心に各地で生活インフラ、収穫間近であった農作物などに甚大な被害が発生しました。川の氾濫や土砂崩れが発生、またもや人々の営みをのみ込みました。自然災害の恐ろしさを見せつけられた1年でもありました。

私たちニット製造業にとりましても、台風をはじめ、記録的な豪雨が相次ぐなど、この予想を超えた気候変動に振り回されて、ニット製品の需要にも大きな影響を及ぼした1年でもあったと思います。

 

我が国経済は、緩やかな成長を続けているとはいえ、中小企業の中で特に零細な小規模企業者の景況感は依然厳しい状況であり、人手不足や不安定な為替変動の影響、さらには、消費の低迷など、不透明な経営環境の中での舵取りが求められています。

 

一方、安倍首相は、昨年6月、2017(平成29)年4月に予定していた消費税率10%ヘの引き上げを2019(平成31)年10月まで2年半再延期することを表明しました。そのうえで、「新三本の矢」は、一億総活躍の考え方の下、「国民の希望の実現」を中核として、新たな需要と供給を生み出し、その成果を国民一人ひとりに分配することにより好循環する。」と述べております。

私たちは今後、安倍政権の民間需要を持続的に生み出し、日本経済を力強い成長軌道に乗せていくという、取り組みに大いに期待したいところであります。

 

さて私たちの組合に話題を戻しますと、平成27年度に、これからニット業界を担う若い方々を支援するための組織として、「次世代戦略検討プロジェクト」を立ち上げ、2カ年にわたり勉強会を重ねてきたところです。平成28年度については、東京都及び東京都中小企業団体中央会の支援のもと、今後のTKF組合事業戦略を構築するため「TKF組合戦略プラン策定会議」を延べ12回開催いたしました。

この会議には、東京都中小企業団体中央会から、外部専門家のコーディネーター派遣をしていただき、TKF組合事業戦略策定、事業化等について、多岐にわたって協議を重ねてきました。自社のストロングポイントは何か。自社分析の上でのモノづくりの現場をどのようにアピールしていくのか。等々について、各社がどう創意工夫を凝らしていくのか。等について、広範にわたって話し合いを続けています。2月を目途に考え方を整理し、TKF組合員の皆様方に、夢や希望を持てるような新たな戦略やニット産地の継続的な発展のための方策等を示していきたいと思います。

 

昨年7月には、「2016豪華客船で名刺交換会」を前年に引き続き開催しました。今年も、さらに組合員の方々の連携の強化に向けて「組合員を知ろう!」シリーズを実施していきたいと思っておりますので、皆様もぜひご参加頂きビジネスなどに活用して頂きたいと思います。

 

メリヤス塾も、お陰さまで、平成28年度は、12期生(18名)を迎え、TKF組合員企業の他に、東京ニット卸商業組合員企業の方、日本繊維検査協会の方も一緒に勉強をしております。この塾生の方々が、今後のニット業界の中核として引っ張っていくことを期待しております。

 

東京スカイツリーは、墨田区を代表する名所として知られておりますが、昨年11月、新たに墨田区の観光や産業に寄与する地域活性化の拠点として「すみだ北斎美術館」が開館いたしました。日本の伝統文化の象徴ともいえる北斎の魅力を国内外に発信していただきたいと思っております。

 

年頭にあたりまして、今年も昨年に引き続き組合員交流を活発に行って、組合員の方々の役に立つ、魅力のある組合を目指していきたいと思っておりますので、ぜひ皆様のご理解・ご協力とご参加をお待ち申し上げております。

平成29年元旦

東京ニットファツション工業組合

理事長 大石 恭寿